NSXPO2006

NSXPO 初参加記

この度、会社のリフレッシュ休暇を利用してNSXPOに初参加させて頂きました。NSXtype-Tを1998年に初所有し、NSXCJを通じてNSXPO開催の存在を知りながらも、これまで「参加」の二文字を考えた事は全くありませんでしたが、休暇の使い道を思案しているうちに「これはめったにない好機では」と思い立ち、思い切って手を挙げる事に致しました。「あの富吉さんがいるから大丈夫か」と。

10月9日PMに機上の人となり、約15時間かけて同日の夜(日付け変更線通過によるおまけの日)フロリダ州オーランド国際空港に降り立ちました。当地は10月でも日中は半袖で十分。時には日中暑く感じる時さえもありました。フロリダ半島は殆ど平坦、緩い丘陵地と数多くの池、湖が点在し、それらを湿地、草地、森林の緑が繋げています。野生も多いようで、スピードウェイではキツネや見た事もないような動物がひかれてしまっている光景を目にしました(かわいそうですが)。湿地にはアリゲータ(ワニ)もいるようです。残念ながらお目にはかかれませんでしたが。

大陸から突き出た半島のフロリダでもそのスピードウェイは基本的にはまっすぐ。幹線では3?4車線が普通で、丘陵地の上からは遥か先まで一直線の路面が望め、何とも言えない「雄大さ」を感じます。やはりアメリカは自然が一番でしょうか。

NSXPO2006でのメニューの一部や印象的な事柄をご紹介したいと思います。

10日は、Sebring International Raceway(約6km/周)を訪問しました。オーランドから南下し約1.5時間かけて到着したのですが、それらしい音はすれどコースが見えません。全くの平地のコースで、付近にはどうも飛行場も併設のようでした。

当日はドライバースクールが開催されており、2グループに分かれ、各グループ30分?1時間程度づつ走行していました。そこでいきなり同乗を勧められるままに、ヘルメットを借用しコクピットにしっかりロールゲージをはりめぐらせたどう見ても尋常ではない(?)NSXのパッセンジャシート(当然いつも座りなれた右側)に乗り込みました。予想はしていましたが、加速、減速は当然ハード。コース形状も全くわからないので、迫り来るコーナーでは恐怖感で思いっきり足を踏ん張り、5点式(股の間からも1本)ハーネスに身を委ねて遠心力に耐えていました。たった2周なのですが、気持ちが少し悪くなりました(昼食前で良かったと思っています)。試乗の後で聞きましたが、その筋では有名なオーナー兼インストラクタの方のようです(お名前をはっきり確認していませんでした。すみません)。そしてそのNSXは750psとのことでした。最後に皆でパレードラップがあり、アメリカのクラブの会長であるMr. Larry Bastanzaから「俺の車を運転してみるか?」と誘われました。絶好の機会と乗り込む直前まで思案していましたが、「左ハンドル+右手でのシフトレバー+アクセル&ブレーキ&クラッチ」未経験のため断念し、残念ながら大人しく助手席に座らせて頂きました。今後、NSXPO参加希望の皆様には、事前に一度これを経験しておいて、是非チャンスを活かせるようにされることをお勧めします。

翌11日にはフロリダ半島の東海岸にある、かの有名なDeitona International Speedwayを訪問しました。ここでは走るのではなく、大人しく見学するのみです。ここのコースはオーバルとはいえやや変形した「つぶれたおむすび型」をしており、その緩い頂点の一つがグランドスタンド前となります。コース距離は確認しなかったのですが、オーバル内側の面積はもてぎの2倍以上はあると思います。全体が美しく本当にとても広いコースでした。また、バンクの最大傾斜角度は約30度とのことでしたが、自身の目で見るともっと角度がきついような印象で、その最も上部にタイヤ痕がはっきり残っていました。

13日は少し「車」から離れ、Kennedy Space Center見学ツアーが組まれていました。車から離れるとは言っても、移動は勿論NSXです。約70台が一斉に隊列を組む事になるために、危険を回避する目的で白バイ5?6台による先導走行となり、全ての交差点(当然赤信号も無視!!)や高速道路の出入り口では他車を全てストップさせての走行ノンストップ(殆どパレード?)でした。3車線の高速道路でも完全な占有走行状態で、一度、隊列を追い抜いたスポーツカーがいたのですが、先で白バイにストップさせられていました(I think, he was very angry, maybe.)。全くアメリカらしい経験です。

帰国前日の14日にはTechnical Seminarsが、宿泊ホテル(Embassy Suites Hotel Orlando-Internatitonal Drive South/Convention Centerと長い名)のバンケットにて開催されました。終日開催されていたようですが、同日の午後は(ご多分にもれず)Disney Worldに行くため午前中のみの参加でした。そのセミナーでは、NSX関連部品メーカの担当者が自社製品の技術説明を行ったり、元レーシングドライバーのMr. Peter Cunninghamの講演、Honda上原氏(ゲストとして招待されておられました)も交えた参加者全員によるQ&A方式の意見交換会ありと、多くの情報交換や話題提供がなされました。非常に印象的だったのは、これらが一方的な情報発信ではなく、皆が本当にそれに参加し、意見交換しているという雰囲気でした。日本の多くのセミナー等ではここまでの一体感はありません。まあ、本当に大好きなテーマについて話をしているのですから、当たり前なのでしょうか。秋のNSX fiesta(鈴鹿)や春のクラブミーティング(もてぎ)でこのような催し物があればなあと強く感じました。

以上、この度のNSXPO2006訪問において強く印象に残った思い出を中心に記させて頂きました。今回の訪米は小生にとって「幸運にも参加できた」というもので、「次回は?」と問われても、しがないサラリーマンの身ではなかなかその可能性をみいだせません。しかし、普通のツアーと違い、米国のNSXをこよなく愛する方々と直接に色々な場で語らい(小生の語学力では当然なかなか通じませんが)、時間を共有し、懇親できたことが最も有益な経験だったと感じています。そして、米国人のバイタリティも実感しました(オーナーにややお年を召した方々も比較的多いのですが、皆さん本当に!!お元気なのです)。今回、多少ではありますが、米国人の知り合いもできました。今後、この友情を保っていけるよう努力をしたいと思っています。

当訪問記をお読み頂きました皆様には、小生の稚拙な文章に対してご容赦頂ければと思います。最後に、チームジャパンの隊長富吉さん、小林さん、岡本さん、大島さん、そして千種さんご夫妻に、本当に楽しい時間を過ごさせて頂いたことに対して、この場を借りてお礼申し上げます。「機会があればまた行きたい」と素直に思っています(来年はOhioとのことでした)。

吉野涼二(千葉県)


サプライズ、サプライズ、サプライズ

今回のNSXPO2006はNSXCAにとっては記念すべき10回目のイベントで、早い段階から会長のLarry Bastanza、開催地オーランドが地元のWei Shen Chin、インストラクターの重鎮Peter Millsらから協力の要請および相談がありました。目玉として、ゲストのひとりとして日本から上原さんを招くことでした。幸いにも快諾いただいたのですが、今回は更なるサプライズが目白押し、力の入れようが感じ取れた一週間でした。

10月9日-出発、オーランド到着

今回は上原さんが参加されるということもあり、クラブ員の方の中にも関心をお持ちいただいた方がおられ、2004年のニューヨークに参加し、その魅力に取りつかれた岡本さん、参加予定だったその2004年に急遽行けなくなってしまい、リベンジを果たした小林さん、別の旅行のために積み立てていた費用を充当してしまった吉野さん、そして共に米国在住でNSXPOは2回目の千種さんと大島さんの6名参加(千種さんは奥様同伴)なりました。

三連休の最終日ということで渋滞を予想して早めに出たのですが、スムーズな運行で成田には随分早く着いてしまいました。程なく小林さん、吉野さんと合流、出国手続きなどを済ませ、名古屋からの便で既に成田入りしいた岡本さんを見つけこれで日本発組は全員集合。

オーランドへは直行便はなく、シカゴで乗り換えです。約11時間でシカゴに到着(まだおなじ9日)、一旦手荷物を受け取り国内線に預け替えますが、どうも係りの年配女性の誘導がわかりにくく同じところをグルグル回っているうちに搭乗時刻になっていまいました。2時間半くらいでオーランド到着です。夕刻でしたが、上空から見ると山がないフラットな地形、また大小の池というか湖が多数点在しています。海抜(と言っていいのかな)はそれほど高くないようで、湿地も多いように感じられました。ここでハプニング。私と小林さんのスーツケースが行方不明、バゲッジクレームで手続きしますが、後ほど滞在しているホテルに届けることになるとのこと、不安。まさか、成田に戻ってしまったのでは・・・・・・・

空港から予約してあったレンタカーでいざホテルへ。慣れてしまえばわかりやすいアメリカの道路なのですが、案の定勘違いで迷ってしまいました。辺りはもうすっかり暗くなっています。初参加の吉野さんの冷静な判断と指示でなんとかホテルに到着。チェックインの手続きをしていると、旧知の親友であるMiled Salhebがやってきました。2年ぶりです。各自荷物を置いて、夕食。ホテル近くのレストランをMiledが紹介してくれました。遅い時間だったので、各自一品くらい食べて引き上げ、部屋に戻り明日からの長いイベントに備えるためと疲れをとるため早めにベッドに入ります。

10月10日 – セブリングでのドライビングスクール

行方不明のスーツケースは朝届きました。ロックの状態にはなっていますが、こじ開けられたあとがあります。TSAが検査のため開けたのでしょう。

NSXPO自体はもう昨日から始まっています。NSXのカラーの呼称にも使われているセブリング(Sebring International Raceway)でのドライビングスクールの見学です。ちょうど同じように見に行くメンバーがいるとのことで朝ホテルで会うことにしていましたので、彼の先導でトラックへ。といっても到着まで約2時間かかりました。正に午前中の走行が終わろうとしているところ、Ken Saxが私をめざとく見つけ、いきなり助手席に乗せられコースイン。再会のあいさつはトラック上のNSXの中。彼らはTシャツ、短パン、素手です。さすがにヘルメットはかぶっていますが、窓は左右とも全開です。

昼食のため、全車コースアウト。Chin Motorsportsの黒い大きなトレーラーの前でメンバーとあいさつ。Nice see you again. How are you doing? 再会を喜び合います。「また来ちゃった」って感じです。ランチチケットをもらい、ハンバーガーを好みでチョイス、ちゃんと焼いてくれて良心的。でも、デカい。

午後もメンバーが次々に「乗らないか?」と誘ってくれます。スーパーチャージャーの車には何台か乗りました。ヘルメットをかぶっているので顔がよくわかりません。ある車はレブリミッターが7000RPM位で働くので指摘したら、「そうなんだ。原因はよくわからないんだけど、今度までには直しておくよ」と。このトラックは平坦なコンクリート舗装で、コース長は約6Kmと長め。ただ、結構路面はデコボコで、最終コーナー付近はすぐ前を行く車のリアがポンポン撥ねられているのがよくわかりました。

前日に引き続き、この日も朝から夕刻までいくつかのクラスに分けて走行があるので全体としてはゆったりと時間が過ぎていく感じがします。毎度のことですが、NSXPOのドライビングスクールの特徴としてインストラクターの同乗があります。インストラクターはクラブの中でスキルのある人たちが務めるのですが、彼らが助手席に乗って指導するのです。ちなみに、費用は2日間で450ドル、安いでしょ。

夕方が近づいた頃にパレードをするようで、ニューヨークから来たPeter Millsが「ドライブいていいぞ」と自分の黄色の車を指差します。嬉しかったですねぇ。2004年、Watkins GlenでのNSXPOの際に彼のドライブで乗せてもらいましたが、速い、速い。その時彼に初めて会ったのですが、60歳は過ぎていると思います。奥様が若くて、またカワイイ、私大好き。

彼らはまだ走行が続きますが、我々はホテルに戻るのでサーキットをあとにします。

10月11日 – デイトナ

この日はオプションで申し込んでいたデイトナ・スピードウェイ見学です。レンタカーは置いて行くつもりだったのですが、日本のメンバー全員の助手席を確保し順次スタート。残っているメンバーに「お前も行くんだろ?」と尋ねると、「オレは行かない」。ということで、レンタカーで追いかけ、何とか合流。デイトナまでは約60マイル(100キロ)。

「アッ!カメラがない」後で知らせてくれたのでわかったのですが、昨日Peter Millsの車でパレードのドライブをした際、彼の車に置いたまま忘れてきたのでした。ということで、今日は写真を撮れません。

見えてきました、デカい。もてぎの4、5倍はありそう。隣に空港があり、またビーチが近いこともあって広々した明るい印象を持ちました。ツアー用のバスでコースを半周ほど走ります。オーバルというよりも、5角形というかダイア型というか・・・。バンク角がすごいですねぇ。

タワーのVIP観覧席にて昼食後、お決まりのおみやげ店でこれまたお決まりのキーホルダーなどを買って過ごします。館内にはシミュレーションゲームなども当然用意されていて、各自挑戦しました。我々は薦められたビーチ見学のため、ひと足さきにスタート。

ビーチはすぐ近くにありました。このあたりはリゾート地なんですね。ただもうシーズンオフでそれほどの賑わいではありませんでした。有料駐車場の係員も不在、車を停めてビーチに。砂が非常に細かく、硬いです。昔はレースをこのビーチでやっていたようです。資料館に海に突っ込む様子が描かれた絵がありました。

10月12日 – 上原さんと合流

何も予定のない休息日。奥様連中はお買い物や美術館に出かけるツアーに参加するようです。今日は上原さんたちが到着する日。我々は午前中は特に何も予定がなく、近くのみやげもの店などを見ながら適当にランチ。

午後は会長のLarry Bastanzaらが空港に4台のNSXで迎えにいくことになっていて、私たちも同行します。ホテルを出る前に上原さんから電話があり、シカゴが雪だったそうで、30分ほど乗り換え便の出発が遅れるとのことでした。ホテルを少し遅らせて空港に向かいましたが、駐車場がほとんど満車状態でスペースを探すのにひと苦労。何とか見つけて駐車。ゲートに急ぎます。ピッタリのタイミングで上原さん一行を発見、Larryを紹介。ホテルに向かいます。我々がホテルに着いた時には既に上原さんたちは到着されていて、早速取り囲まれて、車を前にしての談義。早や、サイン攻め。この時の上原さんの印象は「改造が多いなぁ」とちょっと不満げ(これはあとで変わるのですが)。

もう夕刻なので、上原さんたちも何か食べたいとのことで、先日行った”Bahama Breeze”を紹介。明日の集合時刻を確認して別れました。このあたりは、テーマパークに各地から来た客のホテルが多いエリアで、レストランもたくさんあります。行きませんでしたが、おいしい日本料理店もあるとか。

夕食は近くの”Race Rock”に行きました。店内に車関係のディスプレイをしたレストランです。メニューも車用語などが使われていて、微笑んでしまいます。味もまあまあなのですが、とにかくデカい。ふざけているのか、と思うくらいです。

10月13日 – NASA

ひとつの目玉、NASA見学です。ホテル前の駐車場で移動の際の注意事項の説明をしています。そこにはハイウェイパトロールの警官の姿も。そう、NASAまでの40マイルをノンストップで行くのです。信じられないことですが、白バイの先導で、隊列を組みます。過去にフィエスタに参加経験のある地元オーランドのオーナーの車を私がドライブさせてもらうことになっていました。ハイウェイ入り口までは各交差点には警官が配備されていて、赤信号でも関係なく進みます(レンタカーを置いてきてよかったぁ~)。ハイウェイに入ると圧巻、100台近いNSXの隊列がずっと続きます。途中の入り口はすべて白バイが封鎖していて、他車は入れません。間違って入った車は停止を命ぜられます。「こんなことができてしまうんだ」。何という優越感。途中何箇所か75セント払うゲートがありますが、一番右の無人レーンを通過します。

約1時間のドライブで「宇宙飛行士の殿堂」(Astronaut Hall of Fame)に到着。敷地内への入り口で、スペースシャトルをバックに一台ずつ記念撮影。その後展示を見たり、買い物をしたり。私は定番だと思いますが、宇宙食のアイスクリーム、ステッカーを買いました。

更に車で移動、ビジター・コンプレックスに駐車、いよいよ、NASAの中核に入ります。これはあとでわかったのですが、私が思っていたよりも遥かに、遥かに広いエリアでした。入って程なくランチタイム、大混雑の食堂で好みのもの、デザート、飲料などを取り、レジへ。どうも、レジ担当の要領が悪いためにこの長蛇の列になっているようです。

IMAXシアターでの3Dや各種ロケットの展示などを見た後にサターンVを見ようと思っていたですが、そこへはバスで行くことになっていて、係りに聞くと「もう最終のバスは出てしまった」とのことでした。仕方なく辺りをブラブラしていると、Larryから電話があり、「まだサターンVを見ていないのなら、アレンジするからちょっと待っていろ」と。偶然Wei Shen Chinに会い、「臨時のバスを出すよう手配するから」というではないですか。他のメンバーと「そんなことできるの?」と顔を見合わせます。言われるまま彼らについてバス乗り場に。大型バスが来ました。貸切です。サターンVはここからバスで15分くらい先にあり、その間にスペースシャトル用ロケットの組み立てのために巨大な建屋やシャトルの格納庫があります。また、打ち上げの見学スタンドや着陸滑走路なども見えました。

アポロ/サターンV。これもド肝を抜く、想像を超えた大きさでした。先ほど中庭にあったロケットと大きいと感じましたが、比じゃないですね、この大きさは。全長は100mを超えるでしょう。各段のロケットがわかりやすく展示されています。月面着陸機もあります。このあたりは鳥獣保護区になっていて、湿地にはワニもいるそうです。ビジター・コンプレックスに戻る際、バスの運転手がコンドルが獲物を狙っていることを乗客に知らせた正にその時、バスとほぼ同じ方向にそろりと滑空、バスもスピードを落とします。そして、白いサギのような鳥をキャッチ。車内からは拍手と歓声が。

この日の夕食はこのNASAの施設内のホールにて。いつものスタイルですが、開場までの間、ロビーで各自好みの飲み物を手に歓談。上原さんの周りにはいつも人だかり。ここで上原さんから会長のLarry Bastanzaに、Gintherが優勝したF1と軽トラTN360のモデルがプレゼントされました。ディナーパーティーの中で、AcuraNSXでレースを戦ったドライバーPeter Cunninghamと上原さんのスピーチがありました。また、ふたりのサイン入りステアリングホイールなどがオークションにかけられ、高値で落札されました。

終了後は各自またドライブしてホテルに戻りますが、どういうことか往きより帰りの方が早く帰れたのです???私は飲んでいたので、ドライブしてもらいましたが、彼らはあまりアルコールは気にしていませんね。


10月14日 – テクニカルセミナー、バンケット

テクニカルセミナーおよびベンダー展示の日です。テクニカルセミナーには上原さんも参加されています。同時通訳の方も。基本的には”Science of Speed”のChris Wilsonが進行役としてまずプレゼンテーションをして、それに対して質疑応答、意見交換するというスタイルで進められます。途中でパネラーとして上原さん他がテーブルに着席、ディスカッションをします。Peter Cunninghamも参加しており、聴衆も徐々に増えてきて、最後には立ち見席となりました。ここでの彼らのディスカッションは熱心で真摯なものであり、上原さんご自身も感心されていました。

当然ですが、NSXの後継モデルについての質問がありましたが、上原さんは「宗一郎氏が出来上がったばかりNSXを見た時、『引退していて良かった。オレがやっていたらできなかっただろう』と言った、ホンダはどんなにいい車が出来たとしてもそこに立ち止まることはしない。NSXは皆さんに愛され高い評価を得たが、自分自身は来年定年退職する。次の世代の人たちがきっとこれを上回る車を世に送り出すことを確信している、楽しみにしていて欲しい」。

テクニカルセミナーは午後も続きますが、我々は折角多くのテーマパークのあるオーランドに来たので、ディズニーワールドに行くことにしました。チケットは地元のオーナーが10枚くれました。彼のお薦めだったEPCOTとMagic Kingdomの数箇所しかみる時間はありませんでした。ディズニーだけでもここには4つのテーマパークがあり、トラム、バス、船で移動するほどデカイ。来る時はまだ空いていた駐車場も、土曜日ということもあって帰りは満車状態。どこに停めたか自分の車を探すのにひと苦労。キーに警笛ホーンを鳴らすボタンが付いている理由がこの時わかりました。

今夜はメインのディナーパーティーです。開場は公式ホテルの宴会場。我々は一番ステージに近い”Reserved”と書かれたテーブルに案内されました。上原さんたちは、隣のテーブルに他のゲストと一緒です。そうDerek Bellが招かれていたのです(彼は本当に話し上手。早口ですが、グイグイ聞き手を惹きつけて行きます)。前半は食事と歓談を楽しみ、後半はゲストスピーチと余興という大きな流れです。

最後の夜ということで、今回の開催にあたり功績のあったメンバーが紹介され、労いの言葉と楯が送られました。続いて、日本からのメンバーを紹介するようにと促され、壇上に。全員を紹介したのち、スピーチ。ひょっとしたら・・・と思い、事前に用意して親友のMiled Salhebの添削を受けていて良かったなぁ。私の気持ちは通じたようで嬉しかったです。

そしてビッグサプライズ、何と私自身にも楯が送られたのです。今回は随分早い段階からゲストとして上原さんを招きたいと聞いていて、実現したことで今年のNSXPOは例年にない盛り上がりになったと思います。アメリカのイベントの企画に対し、日本人が協力・寄与できたことは私自身の喜びでもあります。彼らがこのことを評価してくれたことを本当に嬉しく思います。真の意味で、日本とアメリカはひとつになったと感じた瞬間でした。幹部数人に提案したのですが、「2010年はNSX誕生20周年、日米欧合同のイベントをやりたいね」

このあと、オークションやプレゼントなど趣向を凝らした余興が続きます。いつも思うのですが、彼らの運営・演出のうまさには感心するばかりです。

我々は翌朝早い便で出発のため、上原さんたちや世話になったNSXCAの幹部やメンバーに再会を願いながら別れの挨拶をしました。

10月15日 – 帰国の日

早朝の便でシカゴに向かうため、ホテル代節約の意味からもホテルはキャンセルし、土曜日のうちにチェックアウト。既に荷物を運び込んでいた小林さんの部屋で出発まで待機、荷造りでもしながら時間調整することにしました。でも、眠い。そのためちょっと早めにホテルを出て、レンタカー返却に。ここでまた道に迷い、吉野さんのお世話に。何とかレンタカー会社に到着。事務所は閉まっていて、ガードマンのオジサンに確認を受けて返却。バスで空港に。空港もまだ早い時刻なので、何組かはカウンターに並んでいますが、係員はいません。やっと搭乗手続きをして、帰国の途に。

富吉啓文(神奈川県)


NASAに行きたくて、、、

今回で2度目の参加となるNSXPO。個人的にNASAに行きたくて不純な動機ながら、3月頃に参加を決定した。

さて、また参加表明からは前回と同じように飛行機の手配。NSXPO参加申込みは、冨吉氏が取りまとめて(クラブ員)申し込んで頂けるのである意味、ツアーみたいなものだ。。。>いつも、お世話になっています。今回、NSXPOのスケジュールは、サーキット走行が前半にあり、後半は、観光地を目指しプチツーリングと観光。。。なんだか、スケジュールがタイトで頭がおかしくなってしまった。オマケに時差の影響で、パニックだったかも・・・・・。>笑

参加一日目は、セブリングサーキットの走行会見学。。。NSXのカラーに「セブリングシルバー」のカラーリングがあるので非常に気になっていた。いろいろ考えたが結局判らず・・・・・。フェスタで、ホンダに聞いてみようと思う。 さて、車は?と言うと、可給機が付いているものが数台ありアメリカらしい。ツインターボが700PS、スーパーチャージャーが600PS(共に自称)。そんなパワーを何処で使うのか?流石アメリカと感じさせてくれる。もちろん、ブレーキにも手が入ってるものが多くフロントはAPのドリルローター&4ポットキャリパーが殆どだったと思う。サーキット走行自体は、非常にセーフティーでスキル音も殆ど聞こえない。途中、日産のZが走っていたが、これはドリフト車のようでかなりヘビーな走りをしていた。

二日目は、オプション選択していたデイトナスピードウェイ見学だった。第一印象は、大きなスタンドだったこと。一瞬、何処かのスタジアムかな?と錯覚してしまうほどの大きさである。その建物を右手に見ながら少し走るとデイトナSWの看板が出てきた。既に、20台あまりのNSXが到着しておりオーナーは談笑していた。ここでも、NSXの目立ち度充分でかなりの他客が写真を撮っていた。ツアーを終えGIFTSHOPでは、日本人ツアー客が数人いてこれまたびっくり。。。 昼食を、VIP観覧席で食べたのだが、非常にまずかったのも良い思い出。

三日目は、一応オフになってた?のでホンダスタッフ(上原さん含)が到着予定なこともありレンタカーで空港まで歓迎に行くことになったのだが、私の心中は空港内にあるNASAのGIFTSHOPが気になっていたので同行し買い物を楽しもうと思っていた。結果、迷子になりそうだったので断念、いや残念。アメリカ在住の千種氏にも2年ぶりに再会。

四日目、既に曜日感覚が無くなってしまっていた。でも、待ちに待った「NASA」見学。。。移動はポリス先導で、暴走族状態。。。じゃ無くパレード走行状態。>感動。「NASA」に到着し、ブース内見学をしていたらスペースシャトルブースが工事中だったので残念。。。とか言っている間にディナーパーティーの時間になってしまった・・・・。実物大だと思うが意外にシャトルは小さかった。

今回は、(株)童夢に協力を頂き、スーパーGTに参戦中の「18号車 TAKATA 童夢NSX」のノベルティグッズ(団扇・フラッグ・ステッカー・タオル)を総計120個も頂いた。 現地では、これが人気であった事と、多数がスーパーGTを知っていた事に驚いた。

岡本哲也(愛知県)

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NSXPO2004

みんな楽しんでるなぁ

昨日まで4日間、NSXPO2004に参加してきました。とりあえず、ざっと感想を述べます。

最初に思ったのは全員が自分たちで盛り上げよう!という気概があり、とてもフレンドリーなムードの中で行われていることでした。Fiestaとは違ってクラブ独自の企画なので、こういう雰囲気になるのでしょうけれど、ある意味とてもうらやましく?思いました。

二つ目はとにかく皆さんNSXが大好き!という方ばかり。暇さえあれば車を磨いていつもぴっかぴか!室内も塵ひとつない方の車もありました(これは大げさな表現ではなくて本当にそうなんです)。初期型も多かったですが、塗装の状態などもとても13年前の車とは思えないほどの車が多かったです。もっとも日本と違って屋内保管が基本のアメリカならではなんでしょうが、ちゃんとメンテナンスをしなければあんなに綺麗な状態を保つのは不可能でしょう。

三つ目は意外に外見はおとなしい感じが多い車が多かったです。西海岸はどうもそうではないようですが・・でも、スーパーシャージャー装着率がとても高くてこれはびっくり。サーキットでスーパーチャージャーを搭載した車に同乗させて貰いましたが、いやはや、加速の良さにびっくりです(ただ、トラブルも細々あるようですが・・)。おとなしい感じが多いという裏にはこちらのオーナーは比較的、年配の方が多いということと繋がります。なにせアメリカで車に8万ドル出せる人はそうはいませんし、アメリカ人は家にとても執着があってまずは家を建てて、それで余裕があれば車を買う・・という感じなのです。なので、オーナーの年齢も上がってしまうのでしょう。

四つ目。トラックイベントなんですが、とてもコントロールされていて、これも驚きました。私の知る限り3件ほどクラッシュがありましたが、何度もミーティングを重ねて初心者のフォローを行って、追い越しも直線のみと限定するなど、安全第一に考えられたイベントでした。あと、インストラクターがずっと同乗するのには驚きました。

最後に・・・、まだ、いろいろ感想もあるのですが、まとめきれていないので、また別の機会にするとして、もう一つ驚いたのは富吉さんの人気。すれ違う人たちが皆、名前を呼ぶほどです。時間があればこちらの方とコミュニケーションを図るその姿には脱帽でした。また、こんなに楽しいイベント参加しない手はありません!是非、チャンスを作って参加していただきたいと思いました。英語がそんなに出来なくても大丈夫。NSXという共通の話題だけで盛り上がりますよ。

写真を整理したらまた、UPします。

千種俊輔(米国ボストン在住)


はじめてのNSXPO

初めての海外と言うこともあり、準備段階からワクワクしておりました。お土産もHONDA好きな人達を想定しHONDAグッズを数万円分用意しトランク半分につめて、いざアメリカに出発です。無事、アメリカに到着しレンタカー屋を出ると高架下でCAのメンバーが3人も待っててくれたのは少し不思議な感じでした。

ヤンキースタジアムで2台合流、道中で徐々にNSXが合流し郊外のパーキングに立ち寄った時点では20台以上になっていました。NSXPOの行われるコーリングのホテルまで約6時間、見所のあるツーリングでした。もちろんここまでに、30枚近くの写真を撮りました。

さて、会場に着きいよいよNSXPOのイベントに参加です。1日目はポーカーラリーに参加です。何処でも、NSXに群がる姿は共通だなぁ~と思いました。初めて外人の助手席に乗り、いきなり「I love NSX」と言われて時にはびっくりしましたね。でも、乗っているうちに自然と気持ちが解けて行ったのは言うまでもありません。道中の紅葉がきれいでこれまたびっくりでした。昼食のステーキもおいしかったです。

2日目,海外でのフリーマーケットならぬ即売会は勝手わからぬまま終わってしまいました。クラブ財産でもあるシルクスクリーンは、1枚しか売れなかったのはかなりショックでした。夜のパーティーでは、持って言ったビデオが大盛況で片言の英語で通じたのはかなりうれしかったです。

3日目、朝からガラスミュージアムで集合写真、小雨の中でも元気なCAのメンバーには感服でした。また、コンテストでは、アルミホイールをシートに貼り付け断熱?していたのも面白かったです。昼から、Watkins Glenのオールドコースを2周ほどしみんなより早い帰途にホテルで一寝入りし、夕食パーティーの行われる湖の遊覧船乗り場間でしばしのドライブでした。道中、飛行機が売っていたり、ほのぼのとした町並みが私を癒してくれたのは言うまでもありませんでした。

4日目、いよいよWatkins Glenサーキットです。やっぱり、NSXはサーキットが良く似合いますね。当日は、曇りで気温も極寒?のなか皆さんは安全に走行されていたのも印象です。同乗走行では、窓開けの状態で非常に寒いのも良い思い出でした。あと、ブーツの入り口の所で森の中に入っていく感じは日本には無いタイプのサーキットで思い出深いものでした。また、ワックス会社の実演に人だかりがいたのも印象的でした。

5日目、最終日なので寂しい感じでしたが、サーキットではかなり過激に走るようになる方が多くなって多々クラッシュはありましたが、晴れのサーキットでは多々熱くなってしまいました。

総感想としては、みなさんフレンドリーで嬉しかったです。私は、時差の関係と体調不良もあり、皆さんにいろいろと迷惑をかけましたが個人的には、面白かったですね。


NSX車両についてですが、外観がノーマルが多く、エンジン、ブレーキをイジってあるのが定番の感じです。また、マフラーも、日本製の低音のドロドロした感じではなく、心地よいサウンドも印象的でした。>基本的にセンスが良いんですね。。。

また、NYCでは小林さんの配慮で高級ホテルに宿泊させていただき感謝に尽きません。 富吉さんのガイドも一日で大変でしたがお疲れ様です。コースとしては、自由の女神→貿易センター跡→タイムズスクエアー→マンハッタンと かなり、濃密でしたョ。

千種夫妻にも、異国の地で日本語が通じた時の感動は嬉しいものでした。また、私の体調を気遣っていただき薬局に連れて行ってもらったときは本当にありがとうございました。

私自身、英語が話せないので皆さんにかなりの負担をおかけしました。その分私は、充分に楽しませていただきましたのでご安心ください>笑。皆さんに、「良い思い」をさせていただいたことを、感謝します。そうそう、帰ってから早速NSXを洗車しました。某社のワックスは最高ですね。先日までの台風でもつやは維持しております。

駄文で申し訳ありませんがこれで締めくらさせていただきます。

岡本哲也(愛知県)


9.11のニューヨークでのNSXPO

私にとっては1999年のラグナ・セカに5人で参加して以来2回目の参加でした。今回は東海岸ニューヨークでの開催であったこと、1998年のNSXCAからのもてぎフィエスタへの初めての受け入れから付き合いのあるMiled Salheb(以下ミレ)がいる地であること、9.11のテロがあったこと(このことが予期せぬビッグイベントになってしまうとは思ってもいなかったのですが、これは後述)、昨年脳腫瘍で亡くなったオランダのGuus Tothと初めてあったのがNSXPOだったこと(私がよく絞めているネクタイは彼からのプレゼントなのです)、マイレッジが随分貯まっていたことなどで、割と早い段階から参加を決めていました。ひとりでも参加するゾと思っていたところ、クラブから多くの方から問い合わせをいただき最終的には4人での参加となりました。

名古屋から参加の岡本さんと成田で合流。「オータム・イン・ニューヨーク」(Autumn in New York)と言われるようにこのシーズンは一番美しい時期でもあるのですが、運賃も安く(正規割引で80,000円くらい)、機内も空席が多いのは意外でした。岡本さんとは通路を挟んで隣同士だったのですが、3列シート(エコノミーです)の中央は空席で13時間のフライトもそれほど苦痛ではありませんでした。

ニューヨークJFK空港に到着。テロ対策でしょう、入国審査はこれまでより強化されており、両手の人差し指の指紋をスキャニング、顔写真も撮られました。ふたりとも無事通過。エアートレイン(AIR TRAIN)というのができていて、これに乗ってレンタカー会社まで移動します。カウンターでは予約表を見せたら、特に何事もなく駐車場に行きます。至ってスムーズ。当初フォード・エクスプローラークラスを予約していたのですが、フォード・マスタングクラスに変更していました。が、車はシボレーのマリブです。V6、4ドアハッチバックセダン。二人分の荷物は楽勝で積めました。慣れない左ハンドル、場内でも注意しながら走行スタート。出口ゲートで免許書などを呈示して出ると、ニューヨーク在住のミレら3台のNSXが迎えてくれました。再会を喜び合い、簡単な打ち合わせ後オフィシャルホテルのあるコーニングに向けて出発。ミレは私達にトランシーバーを貸してくれました(彼らはラジオと呼んでいて、クラブ員のほとんどが持っています。全員が会話を聞くことができるのでツーリング時にはとても便利)。左手にマンハッタンの高層ビル群を見ながら橋を渡ります。珍しいのですが、何ヶ所か橋の通行料と思われるゲートがありました。4ドルです。最初の寄り道、ヤンキースタジアムで早速記念写真。もちろんゲームはないので閑散としています。松井秀喜は大人気です。松井稼頭央は評価低いですね。途中大きなサービスエリアで休憩。既に10数台のNSXが来ています。このあとはコンボイで一路目的地へ。天気は良好。20台以上はいたでしょう、隊列が美しい。この日レンタカーは私がドライブしていましたが、マリブはパワフル、トルクもあってNSX軍団にも付いて行けたので感心しました。

暗くなりかけた頃、到着。コーニングはマンハッタンから見ると北西に位置し、おおまかに言うと五大湖のひとつ、オンタリオ湖の南です。既に参加受付が始まっています。今日来る連中のことをアーリー・バード(Early Bird)と呼んでいます。「一番鶏」「気の早い奴ら」の意味です。パスや書類、スポンサーからのフリースやTシャツなどを受け取ります。やはりサイズがバカデカい。SとMをお願いしました。軽食・スナックが用意されていましたが、到着がちょっと遅かったのであまりなく、ホテル内のレストランで岡本さんと夕食。面識あったのはKen Saxだけ、オーガナイザーのLarry Bastanzaらにあいさつ。「よく来てくれた」。

NSXPOはNSX Fiestaと違って、クラブが主催するイベントです。このため、各イベントや昼食やディナーなどはスポンサーが手配・負担するシステムになっています。以下に紹介するイベントはほとんどが「Sponsored by ******」と銘打っています。

初日、というかまだ公式イベントではないようなのですが、ポーカーラリーの日です。このゲームは一般的なのかも知れませんが、私は意味がよくわかりませんでした。朝、駐車場に集合、アメリカのホテルは駐車場が滅茶苦茶広いですね。100台近くいたと思うのですが、全然余裕です。Larryからコース図の説明などを受け、グループごとに時間差でスタート。オーナーの助手席に乗ります。チェックポイントで封筒に入ったカードを1枚引きます。次のチェックポイントへ。あるチェックポイントでのハプニング。そこはガソリンスタンド。ラリーなので同じグループのメンバーが全員が揃うまで待ちます。待機中のNSX軍団の中へ、タイヤショップのトラックが給油に来ました。給油を終え、バックするときに黄色のNSXドライバーがクラクションを鳴らしています。トラックの運転手には音は聞こえますが、何のことかわからずそのままバック。3回ほどそのやりとりがあった末、ドライバー側のドアをガリガリガリ。もちろんドライバーは運転席に乗ったまま、クラクションを鳴らし続けています。保険会社に電話、パトカーも来ました。気の毒でした。

道中は田舎です。ああ、何て美しいんだろう。家々、街のあちこちに星条旗が掲げられています。「いつもああなのか?」と尋ねたら、9.11のテロ以来、この時期はこうする家が増えたとのこと。プレリュードの売り物があります。

昼食は全車が揃ってからボートハウスでした。ここのビーフはおいしかったですねぇ。量もありましたが、岡本さんも私もすべていただきました。同じテーブルだったオーナーは確かマサチューセッツとシカゴから来ていたと思います。二人ともお互いに面識はないようでしたが、やはりNSX仲間ということで話は弾みました。

朝のうちは霧がありましたが、午後には気温もあがり、半袖のTシャツで十分な陽気。最終のチェックポイントはグライダーの飛行場でした。通路を埋め尽くすNSX。併設の博物館内のセミナーハウスに全員移動し、テーブルに着席。わかりました。ここでポーカーをするのです。

チェックポイントごとに車を乗り換えたのですが、みんなドライブはうまいですねぇ。郊外でほとんど他には車は走っておらず、それなりのスピードですが、コーナーリングもスムーズ。シフト操作も確実です。そうそう、今回いろんな車を見て回りましたが、ATは1台もありませんでした。若いオーナーも多いのですが、同時に年配も目立ち、はっきりとした年齢はわかりませんが、50~60歳台のオーナーも普通にドライブしています。誤解されると困るのですが、東海岸はインテリが多いように感じました。車の外観についても、大きなウィングや派手なワイドボディーはほとんどありませんでした。ただ、ブレーキを変えてみたり、スーパーチャージャーが付いていたりする車はありましたが・・・。ホテルに戻ったらみんな早速洗車です。だからいつもピカピカなんです。長蛇の列。そう、明日はコンテストの日です。

この夜は、バンドが入ってのディナーです。孫がいそうな老夫婦も含め、多くのカップルが中央のフロアで踊っています。日本人には驚きですね。そう、カップルでの参加が多いのも印象的でした。私もいくつかのテーブルに挨拶に回っていたら、レディーから「一緒に踊りましょう」と誘われたのですが、丁重に辞退させていただきました。失礼だったかな?部屋に戻ってから、ミレを含めてシルクスクリーンの販売作戦を練りました。また、明日のパーティーの席上、彼が日本語で我々を紹介していくれると言うので、そのリハーサルを入念にしました。どうも、9.11にまつわる記念品をくれるようです。私たちはクラブ・オブ・アメリカに対して額入りの赤のシルクスクリーンを贈呈すべく用意していました。

土曜日はフリーな感じです。朝から会議室でテクニカルセミナーが行われています。各ベンダーなどが製品紹介をするもので、「塗装保護フィルム」「タイヤ」「ブレーキ」「リペア」「DIY」などがテーマでした。もちろん英語なのでちょっと覗いただけてすが、熱心なファンが30名くらいいて質問も活発でした。平行して、近くの博物館のツアーも開催されています。各自の希望で自由に参加できます。また裏庭では、各ベンダーが展示ブースを構えています。私たちも商売する気はなかったのですが、シルクスクリーンとハイパーレブNo.2は売りたかったので、テントの一角を借りて出店しました。開店直後は「無料(Free)」と書いてステッカーやTシャツを置いていたら、アッという間にドンドン持っていかれたので、その後大急ぎで値札を付けました。今度は「Tシャツ5ドルは安すぎる」と言って15ドルくれたり、「タダはおかしい」と5ドルくれたりで結構旅費の足しになりました。ハイパーレブは10冊完売しましたが、肝心のシルクスクリーンは1枚しか売れませんでした。「150ドルは高かったのだろうか」と話しているとミレは「いや、彼らはこの絵の価値をわかっていないんだ」と言ってくれました。夕刻、早めに閉店。99年の時は賑わっていたのですが、何かお客が少なかったですね。場所の問題かも知れません。

その夜は正式なディナーパーティーです。やはり華やかな雰囲気があります。開会式に相当するのでしょうか、クラブの会長や開催地の代表などがあいさつや明日からの進行についての説明をしています。ほどなくミレが壇上に上がりました。そして日本語で我々の参加を歓迎するスピーチを始めます。我々4人が紹介され起立、壇上に招かれます。ここでミレは3年前のワールドトレードセンターのアタックの話に触れ、彼の友人である消防士・警察官が犠牲になったこと、彼自身がボランティアとして活動したことなどを話しました。彼らはあの日のことを決して忘れていません。ミレは9.11の色紙を持参し、消防士・警察官の自宅を訪問して回り、署名を求め歩いたのです。その色紙を私たちに授与してくれたのです。満場から拍手。思いがけない贈り物に私は非常な感動を覚え、またこのイベントで初めてあったGuus Tothが昨年亡くなったことも思い出し、謝辞のスピーチを始めてまもなく、不覚にも涙でほとんど声にならず、最後に「Enjoy together!!」というのが、精一杯でした。このあと、我々からクラブの会長にシルクスクリーンを贈呈しました。このセレモニーで日米のクラブはより親密・緊密な関係になったと確信しました。素晴らしい瞬間でした。

(余談)ミレが色紙を私に渡そうとした正にその時、調理場の方から皿を落としたような音が聞こえ、会場の数名があまりのタイミングのよさに笑い声をあげたのです。この時、壇上では厳かともいう雰囲気だったので、さすがのミレも彼らをたしなめる場面がありました。

延々とパーティーは続きます。お礼を兼ねて、できるだけのテーブルを回りました。日本と同じく二次会に場を移して車談義が続きます。驚いたことに、先ほど贈呈したシルクスクリーンが話題になっていて、「赤の他に白と銀がある」と言ったら、「見せて欲しい」と言われ、日本から在庫全部を持ってきたものを部屋に取りに戻り見せました。「黒はないのか?」この夜だけで7枚(最終的には10枚)も売れました。実は昨夜の作戦会議の時、ミレに銀を1枚プレゼントしていたのです。これが効いたのでしょう。彼は熱心にこの絵の説明、売り込みをしてくれました。感謝しています。

日曜日はケミカル用品メーカーがスポンサーのコンクールの日です。コーニングという町はガラスで有名らしく、会場はホテルの近くにあるガラス美術館の駐車場です。そもそも最初の頃はスポンサーからわかるように、いかにピカピカにしているかを競うものでしたが、最近はちょっと変わってきているのか、またはオーナーの遊び心なのか、イベントそのものを楽しむ感じがあります。今回最も目を引いたのは、黄色の車です。トランクには料理などに使うアルミフォイルがたくさんあります。何をするのかと見ていると、何とシートを2脚ともそのフォイルで包み始めました。尋ねると「内装もアルミにするんだ」そうです。いやいや、ユーモアたっぷりです。ここで集合の記念写真を撮ります。美術館内で昼食、その後参加車両1台1台の記念写真を旧コースの某所で撮影。夕食はクルーズ船上でだったのですが、何と甲板ではクラブ員の結婚式が行われていました。これには驚きました。

月曜日はいよいよ、ワトキンスグレンです。走行しない連中は昨夜やけさ帰途についています。ブリーフィングがあるというので、早朝の出発です。日本からのメンバーはレーシングスーツに身を固め集合。待ち合わせしていたオーナーが現れないので、千種さんの車で移動。ホテルからは約20~30分。ゲートでサインして入場、ガレージに向かいます。千種さん「でっかいガレージだなぁ」。我々はもちろんエントリーしていないのでドライブはできませんが、助手席に乗ることはできるとのことでした。インストラクターのミーティングのあと、ドライバーズミーティングです。例によって旗の説明などがあります。「ノービス」「インターミディエイト」「アドバンス」の3クラスに分けられていて、それぞれ色違いのリストバンドをします。走行は日本とはまったく違っていて、はじめの3周はインストラクターがドライブ、ドライバーは助手席に座ります。車両はドライバーのものです。その後、インストラクターが助手席に座り、周回を重ねます。この日は昨日までと打って変わって非常に寒かったのですが、窓は両側とも全開。追い越しは直線のみで、ドライバーは腕を大きく外に出し、追い越されたい方向を指差しします。何故ウィンカーを使わないかなど疑問はありますが、同乗させてもらって追い越す時はわかりやすく思えました。

午後、北東地区の代表で、今回の走行の責任者でもあるPeter Millsドライブの車に同乗させてもらうことになりました。5点式シートベルトのハーネスを締め上げ、コースイン。コース幅はそれほど広くはなく、ほとんどガードレールやタイヤバリアが両側にあり、エスケープゾーンもないので、すごくタイトに感じスピード感もあります。最高速は確か120MPHくらいだったと思います。アップダウンもありバンクの付いたコーナーもあるのですが、この人滅茶苦茶速いです。年齢はわかりませんが、60歳は超えているでしょう。横Gで久々に首が痛くなりました。1周目の最終コーナーで外側の縁石に少し乗り上げヒヤッとしましたが、彼のテクニックには感服しました。降りた後で聞いたののですが、彼の速さは有名で、皆知っているようでした。

この夜は、走行しないのでホテルで待っていてくれたミレたちと夕食。ホテル近くの中華のファーストフード店でした。なかなか旨い。その後ホテルに戻るとロビーのあちこちでパソコンの画面を覗き込む風景が。これまでに撮った写真をお互いに見せあっているのです。随分と光景が変わったものです。

翌日はレンタカーを返却。ガソリンスタンドがなかなかわからず、探している間に随分とマンハッタンの中をドライブできました。ほとんど一方通行なので、左折時に反対車線に入る心配もなく、なかなか楽しめました。その後地下鉄などでスタッテン島、自由の女神、バッテリーパーク、グラウンド・ゼロ、エンパイアステートビル、タイムズ・スクェア、ロックフェラーセンターなどを訪れホテルへ。

マンハッタン二日目は雨だったのですが、メトロポリタン美術館に入って岡本さんとは解散、自由行動としました。美術館内のカフェの料理はお勧めです。おいしい。その後、私はなぜか、Williams Sonomaで台所用品などの買い物をしていました。最後の夜になるので、Miled、GregとSusan夫妻と我々の5人でリトル・イタリーのレストランに出かけました。パスタ一皿20ドルくらいとちょっとお高いのですが、おいしかったですねぇ。Susanが選んだワインも旨い。私は記憶していないのですが、3本飲んでしまったようです。ご馳走してくれたのですが。再会を約束してホテルで別れました。GregとSusan夫妻はこのホテル近くに住んでいるらしい。

出発の日です。マンハッタンからはJFKまでのタクシー運賃は45ドルの定額。わかりやすい、いいシステムです。混雑や警備も大したことはなく、随分早く着いてしまいました。日本到着は翌日です。

日本にはフィエスタという素晴らしいイベントがあります。NSXPOはクラブが主催しているからか、クラブ員自身がどうすれば自分たちが楽しめるかを考えて参加しているように思えます。毎年開催されますが、全米を6つのエリアに分けて持ち回りで開催するため、ひとりひとりのクラブ員にとっては自分の住むエリアでの開催は5~6年に1回となります。フロリダやカリフォルニアからの参加者もいましたが、やはり近郊のメンバーが多いですね。このため、開催地周辺のメンバーの期待は大きいのです。今回は120台、205名の参加だったと聞きました。

NSXPOについてはこれまでにも触れてきましたが、本当の楽しさは参加してみないとわからないと思います。機会があれば、是非参加して下さい。岡本さんもおっしゃってましたが、英語はわからなくても十分楽しめます。私もサポートしますし、彼らもジャパンのメンバーにはよくしてくれます。2005年はアリゾナ州のフェニックスです。なお、NSXPOは毎年10月の第2土・日を中心に開催されます。フィエスタと日程が近いのが難点ですが。

富吉啓文(神奈川県)